森 達也
上杉 隆 著
随分前に買って、積んであった本を読んでみた。
オウム真理教の信者を主人公にしたドキュメンタリー映画を撮った森達也とニューヨークタイムズ東京の記者を経てフリージャーナリストになった上杉隆のメディアに関する対談を記したものである。
二人とも主流とは、一歩離れた立場で、作品作成や報道を行っている。
意図的にそうしていたのではなく、自分の信条やポリシーを通して行った結果そうなったようだ。
メディアは、経済的原理で、大衆受けするものを作ってもいいが、ジャーナリズムは、ビジネスよりも職業倫理が優先されるべきものだ。
真実に対して自分が正しいと思うことに対して忠誠を誓うのがジャーナリストと主張している。
日本の報道は、記者クラブシステムによって、政府などが発表した内容をそのまま流したり、大衆受けする内容を報道したりすることが多いとする。
アメリカの新聞では、記名記事が多く、反論記事も併記されることがあるそうである。
NHKや大手全国紙のニュースを鵜呑みするのではなく、もう一歩踏み込んで考えてみることが必要と感じた。
2012年11月22日 初版発行
発行所 株式会社 ビジネス社
ISBN978-4-8284-1686-1
C0036 \952E