ジョーン・エイキン 著
こだま ともこ 訳
「ダイドーの冒険」シリーズの6番目の物語だそうである。日本で未刊のものも含めてシリーズは11作あるようである。
主人公のダイドーは、十代半ばくらいの勇敢な少女である。
タイトルにもなっている父ちゃんは、音楽に関しては、素晴らしい才能がある音楽家であるが、王様を偽物とすり替えて、権力を得ようとする辺境伯の手下となり、悪事を働く。
ダイドーは、父ちゃんに無理やり連れ去られて、王様すり替えの計画に加担させられるが、途中で計画に気づき、友達であるサイモン、コーヒー屋台を引く少年などの仲間、そして、大勢の道ばたっ子と協力し、辺境伯を倒し、王様を守ることができる。
物語の舞台は、19世紀最初の頃のロンドンのようであるが、郊外には、多くのオオカミがいたり、寒さで、テムズ川が凍りついたりと現在のロンドンよりワイルドな感じである。
また、大勢の貧しい道ばたっ子が登場するのは、イギリスの工業化や海外進出などの影響で、貧富の差が大きくなったことがあったためであろうか？
児童書であるが、500ページを越えるボリュームであり、読み応えのある作品であった。
2008年1月25日 初版発行
発行所 冨山房
ISBN978-4-572-00471-0
C8097 \1819E