ソン・ウォンピョン 著
矢島 暁子 訳
主人公のユンジェは、脳にあるアーモンドに似た形の扁桃体が小さく、失感情症と診断される。
喜怒哀楽や恐怖などの感情を持つことがない。
人が亡くなるところを見ても、助けなければいけないとは考えるが、感情を示すことがないため、ほかの人からは、怪物と思われる。
一緒に住む母や祖母は、アーモンドを食べさせたり、平凡な生活を送るため、日々の出来事に対する対応策を教えようとする。
悲劇は、ユンジェの16回目の誕生日に、起きる。
ナイフを持った通魔が、祖母と母などをユンジェの目の前で、刺すという事件が起き、祖母が亡くなり、母が、意識不明になる。
ユンジェは、変わることなく学校に通うが、同級生等からは、怪物扱いされる。
複雑な経緯で、屈折した育ち方をしたゴニという同級生に、まとわりつかれ、いじめられる。
しかし、感情を強く表すゴニとユンジェは、お互いを知ろうとして、関係を深めてゆく。
ゴニも同級生等から受け容れられず、行為をエスカレートさせて行く。
ユンジェが、ゴニの暴走を止めようとして、悲劇が起きる。
最後は、ハッピーな形で終わり、成長したユンジェ、ゴニの将来を予感させる。
令和元年7月20日 初版第1刷発行
令和2年4月10日 第4刷発行
発行所 祥伝社
ISBN978-4-396-63568-8
C0097 \1600E