高山 羽根子 著
主人公の未名子は年老いた女性が開いている沖縄民俗資料館で、資料整理を手伝っている。
そして、世界の遠くにいる人に、オンライン通話で、クイズを出題するオペレーターの仕事をしている。
資料館は、オーナーの女性が閉館を考えている。未名子は資料整理のかたわらスマホで、資料を写真保存している。
オンラインのクイズサービスを受けている人は、遠くのどこかで、何らかの事情で、隔離されている、あるいは、孤独な人のようだ。
彼らとは、単に、クイズのやり取りだけではなく、雑談もでき、未名子の知らないことも教えてくれる。
台風の夜に、沖縄在来種の宮古馬が未名子の家の庭に迷い込む。
未名子は、宮古馬を一旦は、交番に届けるが、連れ出して、洞窟で、育て調教するようになる。
資料館が閉館することになり、未名子は、オンラインのクイズサービスを受けている人々に撮りためた資料の写真データをアーカイブとして渡し、オペレーターの仕事をやめる。
未名子は、資料館に蓄えられた情報や記憶を残して行きたい、伝えて行きたいと思っている。
文体を含め、幻想的で、ファンタジーのような感じのストーリーであった。
2020年7月25日 発行
発行所 株式会社 新潮社
ISBN978-4-10-5353381-8
C0093 \1250E