加藤 陽子 著
本書は、著者が、2010年から、毎日新聞に連載したエッセイ、コラム、書評に、インタビュー記事を追加して、まとめたものだ。
政治や歴史に、あまり詳しくなく、個々の出来事を把握していなかったので、何気なく見過ごしていた出来事の意味を知ったものも多い。
公文書の破棄や改ざんが取りざたされているが、後世の人が、歴史を振り返り、その時々の判断が適切であったか、そして、その出来事から何らかの指針を得るためにも、文書、記録を残すことが重要だと感じた。
また、過去の出来事、歴史を把握して、活かしている政治家が、どれ程いるのか不安に感じた。
著者は、一昨年前の日本学術会議の新会員候補の任命拒否された６名のうちの一人である。
この出来事に関するインタビュー記事も掲載されている。
著者が、任命拒否された理由が明示されないことは、政府への信頼を落としていると思った。
政府が、何らかの改善を目指すところがあるのであれば、言葉で議論し、記録を残して欲しい。
2021年7月30日 第1刷発行
2021年8月10日 第2刷
発行所 毎日新聞社
ISBN978-4-620-32690-0
C0095 \1600E