ピーター・シス （Peter Sis） 作
福本 友美子 訳
ヒットラー率いるナチスのホロコーストにまつわる実話に基づいて作られた絵本である。
ニコラス（通称ニッキー）・ウインストンは、1909年にロンドンで生まれ、銀行で働いた。
そして、世界を旅し、フェンシングでイギリス代表となるような人だった。
しかし、ヒットラーが、力をつけ、1938年チェコスロバキアへの侵攻が始まる。
戦争が始まりそうになり、ニッキーはできることを何かしなければと考える。
イギリスが17歳以下の子供たちを難民として受け入れていた。
ニッキーは、プラハで、子供のリストを作る。そして、イギリスのロンドンに戻り、子供のを引き取ってくれる家庭を探す。
チェコスロバキアのプラハに住むヴィエラは、10歳だった。幸せな子供時代だった。
ユダヤ人家族だったヴィエラの両親は、ヴィエラをイギリスに逃がすことにした。
ニッキーのリストにのった669人の子供がのった8本の汽車がロンドンに着いた。
9本目の汽車は、プラハを出ることはできなかった。
その後、ニッキーは、子供たちのリストをしまいこみ、静かに暮らした。
ニッキーがすっかり年をとった頃、奥さんが、その古い書類を見つけ、何人かの子どもの消息を調べてもらう。
そして、ニッキーと子供たちの対面が実現した。
ナチスの理不尽な侵攻やホロコーストを経験したヨーロッパで、ロシアのウクライナ侵攻が起きていることを見ると大変つらいものがある。なぜ、このようなことを繰り返してしまうのだろうか？
2022年3月20日 第1刷発行
発行所 BL出版株式会社
ISBN978-4-7764-1042-3
C8798 \2200E