ポール・オースター 著
(Paul Auster)
柴田 元幸 訳
タダ ジュン 絵
著者が、1990年にニューヨーク・タイムズ紙に寄稿した短編を翻訳し、版画で絵本にしたものだ。
また、1995年公開の映画『SMOKE』の原作でもある。
主人公の作家と葉巻屋のオーギー・レンの話である。
オーギーは過去12年間毎朝7時に交差点で、同じ眺めを写真に撮っている。
主人公は、ニューヨークタイムズから、クリスマスに新聞に載せる短編を頼まれるが、書くことができない。
オーギーに相談したら、昼飯をおごってくれたら、最高のクリスマス・ストーリーを聞かせてやるよ。と言われる。
万引きの小僧が落とした財布をクリスマスの夜に思い立って、届けようと思い住所の呼び鈴を押した。
出てきたお婆さんは、目が見えないようだ、そして、孫のロバートかと聞く。クリスマスだもの、会いにきたよ。と答える。
一緒に一日過ごし、食料も買ってきて、ディナーも共にした。
トイレに行きたくなり、バスルームで、新品のカメラの箱をいくつかか見つける。
一箱を抱えて、戻ると、お婆さんは、座ったまま眠りこけていたので、孫の財布を置き、帰った。
少し変ったクリスマス・ストーリーだった。
オーギーの作り話なのか、本当の話なのか？お婆さんは、幸せな時を過ごしたか？
2021年10月25日 第1刷発行
発行所 株式会社スイッチ・パブリッシング
ISBN978-4-88418-567-1
C0097 \1700E