ティム・マーシャル 作
(Tim Marshall)
グレース・イーストン & ジェシカ・スミス 絵
大山 泉 訳
著者の前著『恐怖の地政学ー地図と地形でわかる戦争・紛争の構図』（さくら舎刊）を基に、12の国際情勢のトピックスを図示した本である。
本書は、児童書の分類であるが、内容的には、大人が読んでも十分読み応えのある内容である。
世界で、起きている戦争や紛争の原因になっているものの一つが、地形や位置関係にもあることがわかる。
地政学とは、地理、歴史、政治の要素を結びつけたものだと説明されている。
本書で取り上げる12の国や地域は、以下である。
ロシア、中国、アメリカ合衆国、カナダ、ヨーロッパ、アフリカ、中東地域
インド・パキスタン、朝鮮半島と日本、ラテンアメリカ、オーストラリア、北極圏
現在問題になっているロシアのウクライナ侵攻の発端となっているクリミア侵攻に関しては、以下のような背景経緯があったようだ。
ロシアは現在世界最大の面積を持ち、世界有数の天然ガス産出国と言う豊かさで、世界に力を発揮してきた。
しかし、いくつかの部族がまとまった国であること、西側には、障害となるものがなく、攻撃を受けやすく警戒せざるを得ないこと、
冬には、ほとんどの港が氷結して海上輸送や海軍を動かすことができなくなるなどの困難を抱えていた。
ロシアは、海軍の一部をクリミアの港に置いていたが、ウクライナが、EUとの協定に署名を望んだため、関係が悪化して、クリミヤを支配し、氷結しない港を確保した。
2020年1月20日 初版発行
発行所 株式会社評論社
ISBN978-4-566-08053-9
C8798 \2900E