小泉 吉宏 著
源氏物語54帖の各帖を見開き2ページの8コマの漫画で、描いた本である。
また、主人公の光源氏は、本書の中では、「まろ」と呼ばれ、顔が栗で描かれている。
源氏物語を読んだことがなかったので、タイトル通り、物語を大掴みしてみようと手にとった。
しかし、元々、親子孫四代七十数年に及ぶ長編大河物語で、登場人物も30人以上ということで、なかなか手強い内容だった。
漫画で、表現したものとはいえ、歴史や衣装などの考証も力を入れたとのことで、文章による物語と一緒に本書を読むと参考になるのではないだろうか？
一千年ほど前の平安時代中期にこれほどの長編物語が作られ、しかも、印刷技術がなく、写本で、伝えられていることを考えると、現代まで、読み継がれていると言うのは、すごいことだと思う。
写本の流れもいくつかあり、物語も若干変化しているようだが、作者の紫式部が、どこまで、関与しているのかも興味のあるところである。
主人公の「まろ」は、女性との関わりが複雑で、簡単に表現できないが、人にも好かれる人物として描かれているのだと思う。
源氏物語の奥深さを少し感じることができたと思う。
2002年2月10日 第1刷発行
2002年3月30日 第4刷発行
発行所 株式会社幻冬社
ISBN4-344-00149-4
C0095 \1300E