ミック・ジャクソン 著
(Mick Jackson)
田内 志文 訳
デヴィッド・ロバーツ 絵
(David Roberts)
10編の奇妙な短編より構成される。
どの物語も越えてはいけない一線を物悲しく、あるいは、ユーモアを持って描いている。
漂流する若者を助けた老姉妹が、その風貌を罵られ、心が壊れてしまう。
何年も眠り続けた後、目覚めた少年。眠りが恐ろしくなる。
地下室に手漕ぎボートを作った男が、洪水の時、水が溜まった地下で、舟をこぐ楽しみを見つける。
古物店で、手術道具を見つけた少年が、博物館で、展示されている沢山の蝶を蘇らせようとする。
金持ち夫妻が、屋敷の洞窟に隠者を住まわせようとする。しかし、夫妻に赤ちゃんができ、隠者は、忘れられてしまう。
宇宙人の来襲をイメージした小学生たちが、宇宙人にさらわれた音楽教師を救おうと市役所に調査を要求する。
牛にボタンを取られた女の子が、ボタンを取り返そうと牛と対峙する。
極端であるが、人が持ちうる危うさと滑稽さを描いていると思った。
2016年2月12日 初版発行
発行所 (株)東京創元社
ISBN978-4-488-01053-9
C0097 \1500E