田中 孝幸 著
ロシアのウクライナ侵攻や中国の南シナ海進出など近年話題になることの多い地政学について、対話形式の物語で、わかりやすく説明した本である。
登場人物は、高一の大樹と妹で中一の杏、そして、「カイゾク」と呼ばれる不思議なアンティークショップの店主が登場する。
アンテークショップの店先にあるディプロマットという地球儀を見ていた大樹と杏に「カイゾク」が夏休みの7日間、話を聞いて、問題に答えられたら、ディプロマットをさしあげようと持ちかける。
ふたりは、早速、カイゾクの話を聞き始める。
世界の貿易は、ほとんど海経由で、海を支配するアメリカが世界を仕切る。
核兵器は、①原子力潜水艦②海中からミサイル発射する能力③深くて安全な海、の3つを揃えると最強のアイテムになる。中国は③として南シナ海を目指している。
大国の侵略的な行動には、自国を守ろうとする心理が働いている。少数民族を多く抱える大国は独立や反政府の動きを抑え込もうとしている。
小国は遠交近攻で近くの大国に圧倒されないようにバランスをとっている。
等の話が語られる。
ふたりは、最後に問題に答えて、ディプロマットをもらうことはできるのだろうか？
2022年3月10日 第1刷発行
2022年6月14日 第6刷発行
発行所 東洋経済新報社
ISBN978-4-492-44468-9
C0033 \1500E