小山 哲・藤原 辰史 著
著者二人は、歴史の研究家である。小山氏はポーランド史の専門家、藤原氏は食と農の歴史の専門家である。
本書は、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、急遽発刊されたものである。
内容としては、「自由と平和のための京大有志の会」が発表した声明文である「ロシアによるウクライナ侵略を非難し、ウクライナの人々に連帯する声明」、またその声明に込めた考え。
著者らが、新聞やウェブ雑誌へ寄稿したものをベースに、ウクライナ侵攻をさらに考察したもの。
ウクライナを中心としたヨーロッパ東部、ロシア西部の地域の歴史。
ロシアのウクライナ侵攻に至る背景となっている事象などを二人の対話も含めて記述されている。
ウクライナやその周辺の地域が、民族や言語、地勢、宗教などが複雑に絡みながら長い歴史を持っている事がわかった。
一口で、何々が原因で、今回の侵攻が起きたとか、一人の指導者の暴走だとも言えないと感じた。
平和的な着地点を見出して欲しいと思う。
2022年6月10日 初版第一刷発行
発行所 (株) ミシマ社
ISBN978-4-909394-71-2
C0020 \1600E