カフカ 作
山下 肇 訳
古い岩波文庫を読んだ。
昭和30年代に発行されたものであるが、現在も、改訳されて出版され続けているようだ。
「変身」と「断食芸人」の2編が収められている。
「変身」は、勤勉に働いてきた青年グレゴールが、突然、虫に変身する。
うろたえる家族、本人もなぜかわからない。
客観的に家族の姿を観察するグレゴールだが、次第に動けなくなり、死んでしまう。
グレゴールが死んだ後、家族は、新たに出直そうする。
「断食芸人」は、どれだけ断食をすることができるかを見せる芸人の物語だ。
一時期の人気がなくなった芸人は、小屋の中で、断食をしているが、誰からも忘れられてしまう。
最後には、断食できることを誇りにして死んでゆく。
2編とも不条理な物語だ。
真面目に生きた人が、本人の意図とは関係なく死んでゆく。
設定が面白いが、奇妙な内容で、作者の意図を十分図ることは難しいと思った。
昭和33年1月7日 第1刷発行
昭和39年10月30日 第9刷発行
発行所 株式会社 岩波書店
ISBN-
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