クリス・ヴァン・オールズバーグ 著
(Chris Van Allsburg)
村上 春樹 訳
クリスマスイブの夜中に、サンタを待つ少年に、鈴の音ではなく、しゅうっと言う蒸気の音と金属のきいいっときしむ音が聞こえてくる。
急行「北極号」が迎えに来たのだ。
大氷原を通り過ぎて、北極点の街に到着する。
そこは、サンタのクリスマスプレゼントを作っている街だ。
サンタが、クリスマスプレゼント第一号を渡してくれる。
何が欲しいか聞かれた僕は、トナカイの引き具についている銀の鈴を希望する。
「北極号」に戻って、ポケットに手を突っ込むと、穴が開いていて、鈴はなくなっていた。
うちの前に着いた時、がっかりした僕に、「北極号」の車掌は、「クリスマスおめでとう」と言って、行ってしまう。
クリスマスの朝、妹と一緒にプレゼントを開けた。ツリーの後ろに箱が一つ残っているのを見つけた。
箱には、銀の鈴が入っていた。そして、素敵な音がした。
クリスマスらしい素敵な話である。
2003年11月10日 初版発行
2004年12月5日 6版発行
発行所 あすなろ書房
ISBN4-7515-1999-9
C0797 \1500E