井上 ひさし 著
2022年にTV番組の『開運！なんでも鑑定団』で発掘された井上ひさしの未発表戯曲を出版したものだそうだ。
昭和34年6月21日第1稿と裏表紙に記載されているそうである。60年以上経過して、表舞台に出てきたようだ。
「東京小劇場」という劇団の演出家、俳優が預かったが、上演の機会なく、二人とも亡くなった後、家族が発見し、番組に持ち込んだということである。
作品は、病気の母親を連れ、馬一頭と共にやって来た太郎を主人公とするピカレスク（悪漢）物語である。
太郎は、横暴な村の有力者に馬を奪われる。また、有力者のもとで働く者や村のものたちから酷い目にある。
太郎は、欲に目の眩んだ有力者の馬を全部殺させたり、川の底に金貨があると言ってみんなを川に飛び込ませたりする。
太郎は、観世音にも頼らず、復讐を一人で、遂げて行く。
少し残酷で怖いところもあるが、見応えのある芝居になるのではないかと思った。
2022年12月10日 第1刷発行
発行所 株式会社集英社
ISBN978-4-08-771825-6
C0093 \1700E