エーリヒ・ケストナー 著
(Erich Kästner)
イェラ・レープマン 原案
(Jella Lepman)
ヴァルター・トリアー 絵
(Walter Trier)
池田 香代子 訳
人間が、戦後の孤児、難民、食糧難、原子爆弾、その他の問題の解決のための国際会議を何回開いても合意に至らず、解決しないことに業を煮やした動物たちが、世界の動物を集めて会議をして解決しようとする。
世界のいろいろな動物たちが、それぞれ、動物ビルを目指して集まる。
動物会議で、動物たちは、子どもたちのために、「二度と戦争や貧困や革命が起きないこと」そして国境を廃止することを人間の会議に要求する。
人間たちは、「回答」を文書で持ってくるように抗議文を持ってくる。
ネズミが、書類を全て食べてしまう。人間は、書類のコピーを持ってくると言う。
動物たちは、書類と軍隊などの制服を着ている連中が悪いと言う。
洋服を食べるイガの一群が会議場に飛んできて、軍人だけでなく、制服を着た人がみんな裸になってしまう。
しかし、政治家たちは、イガでは、大砲や弾丸に穴をあけることはできないと動物の要求を拒否する。
次の日、夜が明けると、子どもたちが、消えてしまう。
そして、動物たちから、最後の話し合いをすることを要求する通告が届く。
地球のすべての国の代表者は、５つのことを実行することを約束する。
国境廃止、武器の廃棄・不戦、警察は矢と弓を武器とし科学と技術が平和のためのみに使われることを監視、役所は人間のために存在し書類保管は最小限に、教師の給料を高くし良くないことをだらだら続ける心を無くすようにする。
1949年に出版された絵本であるが、いまだに愚行を続ける大人、権力者への警句となっていると思う。
1999年11月25日 第1刷発行
発行所 株式会社岩波書店
ISBN4-00-110854-2
C8798 \2500E