イ・ヒヨン 著
(李 喜榮)
小山 内園子 訳
近未来の小説である。
技術が進み、技術が人々の苦労を代行してくれる。
そして、人々が、子供を産みたがらない、生まれても育てたくない社会となっている。
少子化が極端に進んでしまったため、国家が親に代わって、子供を養育するNC(ナショナルチルドレン)センターが設立される。
物語は、このNCセンターを舞台とする。
NCセンターの子供たちは、19歳までに、親を選んで、出ていく。
親との面談ペアレント・インタビューを略して、ペイントと呼ばれる。
そして、ペイントで選ばれた子供は、NCセンター出身だと言う経歴が取り消される。
ペイントは、経歴を塗り替えると言う意味もある。
主人公はジェヌ301と言う名の賢く、人を良く観察できる子である。
これまで、面接の段階が進むことがなかったが、新しい両親候補に興味を持つ。
ジェヌのペイントは、決まるのだろうか？子供たちを見守るNCセンター長の生い立ちも気になる。
血のつながった親子、ペイントで結ばれた親子、子供を育てなかった親と子など、人間の結び付き、関係性を考えさせられる物語であった。
2021年11月22日 初版第1刷発行
発行所 株式会社イースト・プレス
ISBN978-4-7816-2023-7
C0097 \1500E