フラン・ピンタデーラ 文
(Fran Pintadera)
アナ・センデル 絵
(Ana Sender)
星野 由美 訳
雷で、停電し、ろうそくのあかりのものとで、マックスは、お父さんに質問します。
「お父さん、こわいと思ったことある？」
お父さんとマックスの「こわい」についての対話が行われる。
「こわい」には、いろいろなものがある。
知らないこと、かげ、激しい言葉、ひとりぼっち、大好きな誰かがいなくなった、自由になる、今おこっていることがわからない、背伸びをしても届かない、背伸びしすぎ。
こわくないふりをしている人もいる。
お父さんが、最後に言います。「どんなこわいがあったとしても、君の前には道があるんだ。」
絵の中に、「こわい」を象徴すると思われる黒い卵が描かれている。マックスはどことなく不安で怖そうだが、お父さんの言葉に勇気づけられたようだ。
「こわい」を考えさせる哲学的な絵本だと思う。
2023年2月 初版1刷発行
発行所 偕成社
ISBN978-4-03-328660-0
C8797 \1800E