牟田 都子 著
著者は校正を仕事とする人だ。
たくさんの本を読んでいるが、校正ゲラの読み方は、完成した本を読むのとは異なると言う。
ゲラを何度も読むそうだ。素読み（文字や言葉を見る）、調べもの（固有名詞や数字、事実関係の確認）、通し読みを行う。
しかも、初校、再校を何人かで交代で読むそうだ。
正しい情報を得るため、書店や図書館などを巡って、資料を調べる。
こんなに、何度も読んでも、間違いがなくなることは無いそうだ。また、熟練しても完璧な校正はできないとのこと。
著者によっては、正しいことよりも、話の流れや気持ちなどの意図によって、敢えて通常使わない表現・間違った表現を使う場合もあるそうだ。
校正者は、正しいと思われる内容を記載して、著者に確認を求める流れだ。
本書では、いろいろな著述者の校正に関係する記述をもとに、著者が、考えたことや実践したことを綴る。
本や印刷物には不可欠な校正者の仕事を知ることができる本であった。
2022年8月30日 第1版第1刷発行
発行所 株式会社亜紀書房
ISBN978-4-7505-1754-4
C0095 \1600E