夏川 草介 著
主人公の夏木林太郎は、小学生の頃から古書店を営む祖父に育てられた。
その祖父が、急に亡くなり、林太郎が残される。
林太郎は、本は好きであるが、運動神経が悪く、得意な科目もない普通の高校生である。
古書店を閉じて、叔母のところに引き取られる予定だ。
林太郎が、閉店中の古書店の中で、佇んでいると一匹のトラネコが、店の奥の板壁の方から出てきて、話しかける。
そして、板壁のあったところの奥へ進んで行き、閉じ込められた本を助けてくれと言う。
読んだ本を巨大なショーケースにしまっている白いスーツの男と対する。
男に本を愛することを思い出させ、本を解放させ、猫と林太郎は古書店に戻る。
トラネコは4度現われ、本を救う冒険に林太郎を連れ出す。
林太郎は、トラネコとの冒険の中で、自分でも少し足を踏み出してみようと感じ、引っ越しをせず、一人暮らしをする決心をする。
著者の本に対する想い、愛情が詰まった作品だと思う。
2022年9月11日 初版第1刷発行
発行所 株式会社 小学館
ISBN978-4-09-406684-5
C0193 \650E