佐藤 友則 島田 潤一郎 著
本屋で待つ（出版社サイト）
広島の北部の小さな町の本屋「ウィー東城店」について記した本である。
老舗の書店の長男だった著者(佐藤さん)は、好きではなかった大学をやめて、実家に戻る。
ちょうど父親が、東城に支店を出したが、著者は、名古屋に修行に行くことになる。
働く人を生き生きさせること、接客などを学ぶ。
ウィー東城店が、営業不振、従業員が一斉に辞めるなどのピンチになり、著者が呼び戻される。
著者は、数年間、必死に働き、徐々に、常連さんができてくる。
人口も少なく、都会からも離れている山間の街では、都会と同じやり方ではダメだと考える。
電化製品の故障、年賀状の字が書けない、普通免許を取りたいけど母国語のポルトガル語しか読めないなど、町の人が本を信頼して本屋にやってくるようになる。
お客さんの要望も受けて、年賀状の宛名印刷サービスを開始、化粧部門にエステを追加、コインランドリーやベーカリーを開設など、本を主軸に関連するビジネスを行う。
また、学校に行けなかった若者たちを雇い、自立、自信を持たせて、社会に出る後押しをする。
町のコミュニケーションの基点になる書店の可能性を示していると思った。
2022年12月25日 第1刷発行
2023年3月25日 第2刷発行
発行所 株式会社 夏葉社
ISBN978-4-904816-43-1
C0095 \1600E