ダニア・セレンコ 作
(Дарьи Серенко)
クセニア・チャルィエワ 絵
(Ксения Чарыева)
高橋 聡子 訳
著者は、1993年、ハバロフスク生まれで、2010年に、詩を学ぶためにモスクワへ出て、ゴーリキー文学大学に入学、卒業後は、図書館や美術館などの国立文化施設に勤めていた。
ロシアのフェミニスト詩を代表する人物だそうである。
活動家としては、政治批判、フェミニズム、社会問題などを書いたメッセージボードを持って公共の交通機関に乗る活動を始めた。
活動のため、2022年2月8日に突然逮捕され、15日間拘留され、拘留期間終了とともに、ウクライナで戦争が始まったそうだ。
セレンコらは、直ちに、フェミニスト反戦レジスタンスを結成した。ロシアにとどまることができず、現在は、ジョージアに滞在しているそうだ。
作品は、公的機関で働く女性たちが、不平等、差別にあったり、組織の不正の尻拭いをさせられるなど、ロシアの現状を記した内容になっている。
詩が使われていたり、比喩で書かれていたりするためか、わかりにくいところもあるが、ロシアの女性たちの訴えを聞いてもらえない社会の雰囲気が感じられる。
ロシアのウクライナでの戦争に反対する人の声を世界に発信するために出された本だと思う。
2023年2月24日 初版発行
発行所 株式会社 エトセトラブックス
ISBN978-4-909910-17-2
C0097 \2000E