岩城 範枝 作
出久根 育 絵
おじいちゃんからリュウに、「ひとりであそびにこられるかな？」とハガキが届きました。
リュウは、電車に乗って、おじいちゃんの家に行きました。
おじいちゃんの作った夕ごはんを食べているとお祭りのお囃子の音が聞こえてきました。
その夜、ぐっすり眠っていたリュウは、笛と太鼓の音に目を覚ましました。
裏口の戸をそっと開けると、大勢の人が歩き、道の両側にお店が並んでいます。
綿菓子をもらって食べるとシュポッと甘く溶けました。
金魚すくいもあります。でも少し変です。すくう輪っかに紙がはってありません。金魚がスイスイ逃げて行きます。
ザリガニやカエル、メダカのお面をつけた人が踊っていると思ったら、お面ではありませんでした。
おじさんがジュースをついでくれました。首を伸ばしたおじさんはカメのようです。
おじさんが、一年に一度の川まつりだと言います。
次の朝、おじいさんに川があったの？と聞くと、今も道の下を水が流れているよとおしえてくれました。
夏の夜、川の生き物たちのお祭りに巡り合った少年の幻想的なお話でした。
2022年8月 初版第1刷発行
発行所 株式会社フレーベル館
ISBN978-4-577-05001-9
C8771 \1540E