ジョーダン・スコット 文
(Jordan Scott)
シドニー・スミス 絵
(Sydney Smith)
原田 勝 訳
作者のジョーダン・スコットは、カナダの詩人だそうだ。
おばあちゃんはポーランド生まれで、第二次世界対戦後、おじいちゃんとカナダの海辺の小さな街に移り住みました。
二人は、ハイウエイのそばにある硫黄工場の裏のニワトリ小屋を作り直した家に住みました。
作者が生まれた時には、おじいちゃんはすでに亡くなり、おばあちゃんが一人でニワトリ小屋だった家で暮らしていました。
本書は、おばあちゃんとの思い出を描いたものである。
朝、パパが、車で、おばあちゃんの家まで送ってくれる。
朝ごはんに、大きなお椀に入れたオートミール、ピクルス、キャベツ、庭でとれたビーツを毎日出してくれる。
ぼくがオートミールをこぼすと、おばあちゃんはさっと拾い上げ、それにキスをして、お椀に戻し、僕のほっぺをそっとつまむ。
おばあちゃんは、長い間、食べるものがなくて困ったことがあるらしい。
ぼくが、残さず食べ終わると、おばあちゃんが学校に送ってくれる。
おばあちゃんは、道に出てきたミミズを探しながら歩く。見つけると土を詰めた小さなガラス瓶に入れる。
学校が終わるとおばあちゃんが校門で待っている。一緒におばあちゃんの庭に行き野菜の世話をする。
瓶からミミズを出して土をかぶせる。
やがて、おばあちゃんは、ぼくの家にくる。ぼくが、毎朝、オートミールに、切ったリンゴをのせて持っていく。
素朴な感じの絵とも相まって、懐かしい感じのする絵本です。
2023年7月 初版第1刷発行
発行所 株式会社 偕成社
ISBN978-4-03-425390-8
C8797 \1400E