オラシオ 著
図書館ウォーカー―旅のついでに図書館へ （出版社サイト）
筆者は、旅のついでに、図書館を訪れることを楽しみにしている図書館ウォーカーである。
本書は、青森の「陸奥新報」に2019年11月より掲載中の紀行文から66編を選び加筆・修正し、単行本化した物だそうだ。
本書の面白いところは、図書館の蔵書数や貸出数などは気にしない。地域の中での図書館の位置付けなどを楽しみにしている点である。
著者は、車の免許を持っていないので、図書館へのアプローチは、公共交通機関と徒歩である。地元の学生などと同じだ。
また、館内の写真などは、撮らない。自分も図書館職員だったことがあり、館内撮影は、許可が必要で、図書館員に手間を取らすことを避けたいからだそうだ。
旅の途中に、図書館を訪れているので、滞在時間は、30分位であるが、図書館を訪れると、郷土コーナーの蔵書や図書館の内外のデザインを見たり、観光パンフレット、ご当地イベントなどをチェックし、旅を充実させる。
全国各地の図書館を取り上げているが、全国的に有名なところより、小さくても地域に根差した図書館やユニークな図書館を掲載している。
筆者は、水辺が近いところが好きなようで、近くに海や川があり、館内からもその景色を楽しめるところをいくつも掲載している。
また、図書館へも歩いてアプローチをしているので、図書館の周りの景色や人々の暮らしぶりなどもじっくり観察し、描いている。
訪れて、閉館日でも、また、別の機会に来ることができるようになったと、次の旅を楽しみにするなど、ゆるい感じの旅が良い。
全国に個性的な図書館がたくさんあり、機会があったら訪れてみたいと思った。
2023年1月25日 第1刷発行
発行所 日外アソシエーツ株式会社
ISBN978-4-8169-2952-6
C0026 \2300E