ジーン・ジオン 文
(Gene Zion)
マーガレット・ブロイ・グレアム 絵
(Margaret Bloy Graham)
ふしみ みさを 訳
(伏見 操)
冬の最後の雪の日に、ヘンリーとお兄さんのピートは小さな雪だるまを作りました。
ヘンリーは月で雪だるまが溶けるのが心配で眠れません。
ヘンリーはこっそり夜の庭に出て、雪だるまを優しく抱き上げて、うちに入りました。
朝になり、ピートが庭を見ましたが、雪だるまを見つけることはできません。
ヘンリーは、雪だるまを冷凍庫の一番下に隠しました。
夏になってもピートは消えた雪だるまのことを忘れらずにいました。
独立記念日に花火大会があるとお父さんが教えてくれました。
ヘンリーはいいことを思いつきました。そして大きな貼り紙を作りました。
花火大会のポスターの横に、「雪だるまを見る会」の貼り紙を打ち付けました。
ピートが驚いて見ています。
独立記念日、ヘンリーの家の前に大勢の人が詰め掛けました。
ヘンリーが、雪だるまを草の上におきました。みんなヘンリーを褒め称えました。
みんな帰った後、振り返ったら、雪だるまは消えていました。
花火は見事でしたが、みんな、ヘンリーの夏の雪だるまがなにより素晴らしかったと思いました。
ヘンリーのかわいい思いつきと雪だるまを溶かすのはおひさまであることを読み物にした絵本でした。
2003年10月21日 第1刷発行
発行所 株式会社 岩波書店
ISBN4-00-115159-6
C8798 \840E