ク・ビョンモ 著
(구병모, Gu Byeong-mo)
小山内 園子 訳
女殺し屋・爪角(チョガク)は、稼業ひとすじ45年である。
かつては、名を馳せたが、老いからは逃れられず、体も気持ちも変わり始める。
拾った捨て犬と暮らしたり、稼業の結果負傷した爪角を治療してくれた医師と家族に特別の感情持ったり、リヤカーを引く老人を助けたりする。
若い同業者が、嫌がらせをしてくるが、単なる嫌がらせではないようである。
医師の娘が、誘拐され、医師の父を防疫する依頼が来る。
医師に特別の感情を持ったことが、きっかけだと認識した爪角は、医師の娘を取り戻すため、死闘を始める。
65歳の爪角は、老体で、自由にならない体や痛みに耐えながらも、往年の力を発揮する。
殺し屋という特殊な設定ではあるが、老に向き合う一人の女性の物語である。
2022年12月16日 第1刷発行
発行所 株式会社 岩波書店
ISBN978-4-00-061576-1
C0097 \2700E