ロマナ・ロマニーシン
アンドリー・レシヴ 作
(Romana Romanyshyn, Andriy Lesiv)
(Романа Романишин, Андрiй Лесiв)
金原 瑞人 訳
作者の二人はウクライナのリヴィウを拠点に活動している人たちだ。
日本での出版は、2022年であるが、2015年に作られた絵本のようだ。
平和な美しい町に、ダーンカ、ファビヤン、ジールカの3人は、住んでいました。
その町に、戦争がどこかからやってきた。
勇気のある3人は、戦争に出ていってくださいと頼みますが、戦争は知らん顔で進んできます。
3人は町に落とされた石や釘を集めて投げ返しますが、戦争を止めることはできません。
ダーンカは、戦争の心臓を狙えばいいと考えましたが、無駄でした。戦争には、心も心臓もなかったのです。
ダーンカは、残った花を助けようと光を当てます。そして、歌を歌います。花も歌を歌い出しました。
戦争は、光とみんなの歌声で、溶け出して消えました。戦争に勝ったのです。
戦争に勝ちましたが、町は変わりました。戦争の悲しい記憶が残りました。
また、町には赤いヒナゲシの花がたくさん咲いています。
戦争は一旦行われると、勝っても悲しい傷跡が残ることを描いていると思います。
登場する3人は、電球、風船、紙飛行機のように描かれています。何かのたとえになっているのだろうか？
赤いヒナゲシの花は、第1次世界大戦で亡くなった人を忘れないためのシンボルだそうだ。
2022年6月25日 初版第1刷発行
発行所 ブロンズ新社
ISBN978-4-89309-709-5
C8771 \1600E