内澤 旬子 著
カヨと私（出版社サイト）
『カヨと私』（KAYO Y YO）というタイトルは、フワン・ラモン・ヒメネスの散文詩集「プラテーロとわたし」を意識して付けたそうである。
詩人が、プラテーロと名付けたロバを友として連れ歩き、スペインのアンダルシアの情景を描写している。
著者は、ヒメネスのように世間から少し距離をとって、少し大きな家畜動物と暮らすために小豆島に移住し、ヤギのカヨと暮らし始める。
カヨを家畜としてではなく、対等な関係として接していこうとする。
カヨが何をしたいのか、何を欲しているのかを探る。カヨが半分人間、私が半分ヤギというような感じになったそうだ。
カヨは、やがて発情し、雄を求めるようになり、相手を探す。
雄ヤギのいる牧場に連れて行くが、うまく交尾ができたか分からずに戻る。
やがて、カヨのお腹が大きくなり、懐妊がわかり、無事出産させることができるか心配する。
2匹の仔ヤギが生まれた。3匹のヤギは育てられないといことで、ヤギを絆にした交友関係もできる。
その後もヤギが増え、巨大ヤギ舎を作ったり、去勢をしたり、ヤギとの生活を深めていく。
大変だが、ヤギとの生活を楽しんでいる様子がわかる。そして、著者が書いているヤギの絵も素晴らしい。
2022年7月16日 初版第1刷発行
発行所 株式会社本の雑誌社
ISBN978-4-86011-470-1
C0095 \2000E