ヤマザキ マリ 著
貧乏ピッツァ（出版社サイト）
著者の食にまつわる体験を記したエッセイ集である。
高級イタリアンレストランで、友人が食べているオリーブオイルにニンニクと鷹の爪と塩コショウだけで味付けしたパスタは1500円もする。
イタリアでは、貧しい時食べた最も安いパスタだ。いわば”素パスタ”だ。
著者が、イタリアで、貧しい生活をした時に食べたもの、結婚して、イタリア人の大家族になり、義母や義父、さらに彼らの親などから教わっている料理のこと、これまで経験した世界各地の料理のこと、手作りなどにこだわった母親の料理などの思い出が綴られる。
食にまつわる思い出も食べ物を美味しくする。貧しいからといって、まずいものしか食べられないということはない。
想像力の力を借りさえすれば、美味しいという幸福感を与えてくれる。空腹と食欲が、美味しさをもたらしてくれる。
いろいろな食べ物が出てくる。食べてみたいと感じた。著者の人生経験も良い調味料になっているのだと思った。
2023年11月20日 発行
発行所 株式会社 新潮社
ISBN978-4-10-611018-4
C0277 \820E