アンソニー・ホロヴィッツ 作
(Anthony Horowitz)
山田 蘭 訳
著者ホロヴィッツが作家として物語中に登場して、探偵ホーソーンが解決する事件をミステリー小説に綴るシリーズである。
本作では、ホロヴィッツが、ホーソーンとの契約を破棄して、ホーソーンが主人公のミステリーを書くのをやめようと決心するが、ホロヴィッツ自身が事件に巻き込まれる。
ホロヴィッツが戯曲を書いた『マインドゲーム』の上演初日の翌日に、辛辣な劇評を書いた劇評家が殺される。
凶器がホロヴィッツがもらった短剣だった。監視カメラや他の状況証拠からもホロヴィッツが犯人と疑われ、連行される。
さらに、遺体に残された、毛髪のDNAもホロヴィッツのものと一致するが、ホーソーンの知り合いの少年が、法科学鑑定研究所のコンピュータに障害をおこし、鑑定結果が警察に届くのを遅らせる。
鑑定結果が到着するまでの間に、事件を解決してもらおうとホロヴィッツは、ホーソーンに頼る。
ホーソーンとホロヴィッツは、『マインドゲーム』関係者、殺された劇評家と関わりのあった人々などを限られた時間内に訪ね、聞き込みを行う。
いずれの人物も劇評家には、良い感情を持っておらず、犯人になる可能性もあるようだ。
果たして、ホロヴィッツの無実は、明らかにできるのか？
実際の劇や本なども登場し、相変わらず、凝ったストーリー展開のミステリーであった。
2023年9月8日 初版発行
発行所 (株)東京創元社
ISBN978-4-488-26514-4
C0197 \1100E