菱木 晃子 作
行く手、はるかなれど グスタフ・ヴァーサ物語（出版社サイト）
グスタフ・ヴァーサは、スエーデン建国の父と呼ばれるスエーデン国王グスタフ一世のことである。
今から500年くらい前の物語である。
当時までに、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーは、国のまとまりができてきていて、3国間のカルマル同盟が結ばれていた。
しかし、デンマーク王が、スウェーデン王も兼ねて、非道な圧政を行なっていた。
グスタフは、スウェーデンのデンマークへの忠誠を示すために、人質としてデンマークに送られていた。
1520年にストックホルムの血浴と呼ばれ、100人近くのスエーデンの独立派の指導者たちが殺される事件が起きた。
生き残ったグスタフは、スウェーデンのダーラナ地方の人々と共に決起し、2年に渡る激しい戦いで勝利し、スェーデンの独立を成し遂げた。
本書は、グスタフが、デンマークから逃げて、ダーラナの人々の信頼を勝ち取り、決起に至るまでの物語である。
グスタフ等がデンマークから捉えられる前に、90kmの雪原をスキーで越え、決起したことが、現在も行われている世界最大・最古のクロスカントリー大会ヴァーサ・ロペットの発祥となっているそうだ。
グスタフ一世は、偉大な建国の父でもあるが、強権的な政治も行い、冷酷な独裁者の顔もあるそうだ。
スウェーデンの建国の物語を知ることができた。児童書ということであるが、歴史に基づいたやや硬い物語であった。
2024年1月31日 初版発行
発行所 株式会社 徳間書店
ISBN978-4-19-865767-3
C8093 \1500E