多崎 礼 著
レーエンデ国物語（出版社サイト）
聖イジョルニ帝国の中にあるが山脈に囲まれ周りのどの州にも属さないレーエンデと言う土地があった。
この土地には、銀呪病という風土病があり、全身が銀の鱗に覆われ、死に至る。
しかし、人を寄せ付けないような厳しくも美しい自然環境もある。
英雄であり、騎士団長のヘクトルは、身体の衰えも感じ、前線から身を引き、シュライヴァ州とレーエンデの交流を図ろうとする。
ヘクトルの娘ユリアは、シュライヴァでの政略結婚を嫌い、ヘクトルと一緒にレーエンデにやって来る。
銀呪病にかかり、レーエンデに帰ってきている元射手のトリスタンは、ヘクトルの活動を助ける。
トリスタンとユリアは、惹かれ合うが、トリスタンが銀呪病を気にして、避け続ける。
ユリアが聖女であると信じ、聖イジョルニ帝国の支配に利用しようと狙う者が出たり、レーエンデに不思議な嵐が発生し、異界の物が襲ってきたりする。
トリスタンの守りで、ヘクトルとユリアは、シュライヴァで、新たな国を建てる。
長編のファンタジーであるが、丁寧な言葉で、レーエンデと言う国の歴史を静かに語っていると思う。
2023年6月12日 第1刷発行
2023年9月6日 第4刷発行
発行所 株式会社講談社
ISBN978-4-06-531946-8
C8093 \1950E