板橋 雅弘 作
吉田 尚令 絵
学校の宿題で「お父さんの仕事」を調べようとした僕。
こっそり、お父さんの後についていくと、体育館に入って行った。
怖いおじさんに見つかってしまい、中に連れて行かれた。
カッコいい男の人と顔を隠した男の人が睨み合っている。
ドラゴン・ジョージとゴキブリマスクの闘いだ。
僕は、正義の味方のドラゴンを応援した。
ゴキブリマスクは、ずるいことばかりする。
「わるいことばかり していると りっぱな おとなに なれないんだぞ」と僕は叫んだ。
マスクの中の目が驚いた。僕も驚いた。パパの目だった。
ドラゴンの反撃に、ゴキブリマスクはやっつけられてしまった。
僕は、ゴキブリマスクを睨んだ。パパは顔を隠して悪いことをしているんだ。
外に出ると、皆んな楽しそうな顔をしている。
パパは、頑張って、悪いことをしているんだ。
「わるものでも いいけど、こんどは かってね」
プロレスラーで、悪役のお父さん、悪役だけど、僕には正義の味方だ。
2011年5月10日 第1刷発行
発行所 株式会社 岩崎書店
ISBN978-4-265-07047-3
C8793 \1300E