著者 こいし ゆうか
くらべて、けみして 校閲部の九重さん（出版社サイト）
出版社の校閲部の仕事の内容を漫画で記した本である。
校閲の「校」は、「くらべる」と読んで、照合して、誤りを正すと言う意味。
「閲」は、「けみする」と読んで、調べたり見て確かめると言う意味。だそうである。
これが、書名の「くらべて けみして」になっている。
校閲は、作品の世界に入り込むような読み方をしてはいけない、事実確認や言葉の間違いを正すだけでなく、出版文化の未来を担う意気込みが必要である。
文字の使い方も、著者の意図を広く捉えることが必要。
表記の統一は、最優先ではない。
誤植やミスはなくなることはない。
初稿ゲラと再校ゲラを引き合わせて確認することを赤字合わせと言うが、その際、初稿と再校を重ねてパタパタするというテクニックもある。
校閲の仕事を具体的な事例を通して、詳しく知ることができる内容だった。
ただ、コマ絵の中にすごく小さい文字で書き込まれている箇所があり、老眼の読者には辛いところがあった。
2023年12月20日 発行
発行所 株式会社新潮社
ISBN978-4-10-355391-5
C0097 \1150E