作者 ジャック・ゴールドスティン
(Jacques Goldstyn)
訳者 長友 恵子
カナダで生まれた仲良しのジュールとジムのお話である。
ジュールとジムは、同じ日、同じ町で、生まれた。ジュールは、ジムより2分あとに生まれた。
学校でも、ジュールは、ジムの後から、2分遅刻して、怒られていました。
1914年に、ヨーロッパで、戦争が始まった。イギリスの自治領だったカナダはドイツと戦争することになった。
ジュールとジムも戦争に行くことになった。二人は、訓練を受けて、フランスに行き、戦場に出た。
戦争の悲惨さ、惨めさを知った。戦場では、ジムは、先頭になって戦った。ジュールは、いつも2分遅れ、ジムの後に続いた。
ジムは、褒められ勲章をもらい、ジュールは、怒られじゃがいもの皮むきをさせられてばかり。
国に帰りたいと二人は泣いた。
戦争が始まってから、1564日、どちらの国の兵士もとても疲れていた。ドイツは、戦争をやめることをやっと決めた。
1918年11月11日朝5時に国の代表が、話し合い、戦争をやめることになった。攻撃中止は午前11時と決まった。
戦争をやめる事になったが、攻撃は続いている。ジュールとジムに攻撃命令が出た。
ジムはいつものように飛び出し、後に続いたジュールの目の前で、撃たれた。10時58分。戦争の終わる2分前だった。
戦争は終わったが、一人で戻ったジュールは元の生活に戻ることはできなかった。
仕事は、長続きせず、結局、ジュールは時計職人になった。しかし、ジュールの時計はどれも2分遅れていた。
悲しい絵本だった。戦争の悲惨さを感じさせられた。
2023年4月5日 第1刷発行
発行所 合同出版株式会社
ISBN978-4-7726-1528-0
C8736 \1800E