文・写真 大竹 英洋
ノースウッズの森で（出版社サイト）
北アメリカ大陸北部に広がる湖水地方「ノースウッズ」をフィールドにしている作者が、その自然、野生動物を撮影した写真絵本である。
ほとんど人の手が入っていない森には、色々な野生動物や植物が残っている。
森の中で、ライチョウの親子や子鹿と沼ではムースと出会う。
大きな木には、熊に樹皮を剥がされたものもある。
「きらびやかな貴婦人のスリッパ」という野生ランの群生地に巡り合う。
秋が訪れるとカナダガンが南に渡って行く。そして、森がさまざまに色づく。
アカリスが、ジャックパインの松ぼっくりを冬の食べ物として、溜め始める。
作者も冬越しの薪を割って蓄え始める。
11月には、北の空に緑のオーロラが現れた。
冬になると、湖面は一面凍ってしまう。人が上を歩いても平気だ。どこへでも行けるようになる。
気候が安定する3月まで待って、雪と氷の世界に旅に出た。
雪原で、一筋の足跡を見つける。オオカミのようだ。オオカミと見たいと言う願いはまだ叶っていない。
ノースウッズの自然を愛す著者の眼差しを記した本である。
2005年9月1日 発行
2011年3月25日 たくさんのふしぎ傑作集第1刷
発行所 株式会社 福音館書店
ISBN978-4-8340-2660-3
C8740 \1300E