著者 池上 俊一
動物裁判（出版社サイト）
ヨーロッパでは、13世紀から18世紀にかけて広く動物裁判が行われていたそうである。
例えば、子供を殺した豚は、人間と同じように裁判にかけられ、有罪となれば、処刑される。
その他の記録の残る動物裁判を紹介している。
現代では、動物の起こした問題は、動物の占有者に責任が帰せられるのが、普通である。
筆者は、ヨーロッパ中世になぜ動物裁判と言う奇妙な法制度ができて、運用されていたのか、興味を持って、調べたと言うことだ。
動物裁判が行われた時期は、自然科学が進歩した時期と重なるようである。
動物裁判は、自然科学進歩と相反するように思えるが、実際は、自然も動物も科学的に支配できるものと考え、人間の支配下に置こうとしたと言うことのようである。
動物裁判は、行われなくなったが、自然が破壊されつつある現在、自然と人間の関係を再度転換する時期が来ているのではないかと述べている。
これまで、知らなかったヨーロッパの歴史の一部を知ることができた。
1990年9月20日 第一刷発行
発行所 株式会社 講談社
ISBN4-06-149019-2
C0222 \600E