絵 ポール O. ゼリンスキー
(Paul O. Zelinsky)
文 アン・アイザックス
(Anne Isaacs)
訳 落合 恵子
2歳の時、アンジェリカは、父さんからもらった斧で丸太小屋をたててしまった。
その後も、アンジェリカはすくすく大きくなり、驚くようなことをいっぱいやってのけた。
沼にハマった幌馬車を持ち上げて救い出した。その時から、「どろんこ 天使」と呼ばれた。
ある夏、1頭の大きな熊があちこちの村を襲い冬の食べ物を平らげてしまった。
熊を仕留めたものにはその毛皮を与え、褒めたたえようということになった。
多くの男たちが、熊を仕留めようとしたが、みんなやられ、最後にアンジェリカだけが残った。
アンジェリカと熊は土煙をあげて取っ組み合い、熊が大きな前脚で、アンジェリカを湖の底に押さえつけた。
アンジェリカは、喉が渇いたと、湖の水を飲み干してしまった。
熊の下敷きになって動けないアンジェリカは、タバコの袋を開いて、熊の鼻先で振った。
熊は、大きなくしゃみをして、底の泥と一緒に、アンジェリカを20Kmも飛ばしてしまった。
アンジェリカは、戻ってきて、熊と戦い続けた。くたくただったが、二人は眠りながらも戦い続けた。
二人のいびきはものすごく、大地を震わせ、木を揺すぶり倒した。
倒れた木のてっぺんにあったでかいミツバチの巣から蜜が流れ出し、熊は舐めはじめた。
そこに、アンジェリカのいびきが残っていた一番大きな木を倒してしまった。
熊は、倒れた木のしたで、ぺちゃんこになってしまった。
テネシー中の人たちは、熊の肉で、満腹になった。
アンジェリカは、熊の毛皮を敷物にし自分の小屋の前に広げた。
スケールの大きな女の子のお話でした。
また、各ページが木目になっているが、これは、木を薄く削った板に原画を描いてあるためだそうだ。
1996年2月16日 第1刷発行
発行所 冨山房
ISBN4-572-00357-2
C8771 \1800E