カレル・チャペック 著
小松 太郎 訳
チャペックは、「ロボット」と言う言葉を生み出した作家として、知っていた。
本書は、園芸マニアの生態をユーモラスに書いた作品だ。
12ヶ月の園芸家の行動や思いを季節の変化とともに描いている。
著者は、チェコ生まれ人なので、チェコの自然環境が、前提になっているのだと思うが、
国や場所が違っても、同じような園芸マニアはいると思う。
思いに反して起る日々の様々な園芸作業の失敗、思うようにならない気候、園芸カタログを見て、無限に広がる庭のイメージなど、逆説的な(?)誇張した表現で、描いている。
園芸家は、庭を作るのが好きで、庭は鑑賞しない。
野菜は、栽培したものを食べ尽くすことはできないからやらない。
と言うのもおもしろい。
中公文庫
1975年12月10日 初版発行
1996年3月18日 改版発行
発行所 中央公論社
ISBN4-12-202563-X
C1198 \485E