坂村 健 著
日本はこれまで、本質・哲学まで理解しないで、海外での成功事例を形から取り入れ、さらにそれを改善することにより、うまくやって来た。
しかし、そのようなやり方では、ITでの不況などに見られるように、近年うまくゆかなくなってきた。
ユビキタス・コンピュータの時代に入り、これからは、すべてのものが、ネットワークされる。
トータルの戦略をもって行く必要がある。
ITの世界において、OS、セキュリティ、文字コードの戦略が必要である。
文字コードは、文化とも結びつく問題であり、海外の規格を安易に受け入れるのでは無く、日本としての明確な戦略が必要である。
筆者は、日本オリジナルのコンピュータアーキテクチャーの実現をめざすトロン・プロジェクトのリーダーでもあり、プロジェクトの推進の中で、実感として感じた日本の戦略・哲学的面での課題を指摘している。
2002年3月25日 第1刷発行
発行所 (株)岩波書店
ISBN 4-00-024212-1
C0036 \1600E