ユーゴー 作
(Victor Hugo)
豊島 与志雄 訳
漸く最終巻までたどり着きました。
第４巻では、マリウスが暴動（革命？）に参加し、危うく命を落としそうになる。
マリウスの命を救うのは、ジャン・バルジャンである。
また、ジャン・バルジャンは、宿敵ジャベールの命も救う。
ジャベールは、ジャン・バルジャンに救われることにより、心が乱れる。
危うく命拾いしたマリウスは、コゼットと再会を果たし、結婚に至る。
コゼットをマリウスに託したジャン・バルジャンは、自分の過去が、若い二人の将来に災いをもたらすことを恐れ、マリウスに、自分の過去を告白し、身を引く。
テナルディは相変わらず、ジャン・バルジャンの過去をネタに、マリウスにお金をせびろうとする。
しかし、テナルディの集めた証拠が、逆に、ジャン・バルジャンの過去の善行を明らかにする。
ジャン・バルジャンは、コゼットとマリウスに手を取られて、息を引取る。
全編を通して、ジャン・バルジャンは降り掛かる様々な困難にも関わらず、潔癖な人生を送る。
最後に、ジャン・バルジャンが心から愛おしまれて、亡くなったことは、読んでいて、ほっとした。
ジャン・バルジャン、ジャベール、マリウスとも一途に生きる姿が、感動的である。
強いていえば、コゼットが、もう少し、ジャン・バルジャンの苦悩を察しても良いと思った。
フランスでも、この当時は、女性が素直で、可愛い存在であることが、理想とされたのであろうか？
それとも、ユーゴーの女性観であろうか？
岩波文庫 赤 531-4
1987年5月18日 改版第1刷発行
発行所 (株)岩波書店
ISBN4-00-325314-0