チャペック 著
千野 栄一 訳
カレル・チャペックはチェコスロバキアの作家である。
本作品は、1920年に出版され、「ロボット」という言葉を世界に広めたSF作品である。
「ロボット」は人工の労働者に対して名付けたもので、その言葉を考え出したのは、画家であった兄のヨゼフであると著者は記している。
物語は、著者のSF作品である「山椒魚戦争」とも少し似た所がある。
人間社会の文明の危うさと人間の力を越えた存在を述べているようだ。
人間を労働から解放するために、人工的にロボットが生み出されるが、その生産がどんどんエスカレーションし、ロボットの軍隊なども作られる。
また、すべての労働から解放された人間は、子供を育むことを止める。
ロボットは、改良され、人間の能力より高くなり、人間を超えようと反乱が世界に起り、人間が滅ぼされていく。
ロボットを物扱いすることへの反対感情や人間が子供を残さなくなったことに危惧をもった一人の女性がロボットの作り方を記した書類を燃やしてしまう。
こうして、新たなロボットも作られず、人間もすべて滅ぶかに思われるが、ロボットに愛の感情が芽生えるようになる。
こうしてあらたなアダムとイブが生まれる。
2001年4月5日 第10刷発行
発行所 (株)岩波書店
ISBN4-00-327742-2
C0198 \500E