坂村 健 著
前著「変われる国・日本へ」の内容も含めて、筆者が提唱推進しているユビキタスIDによるユビキタスコンピューティングの狙い、社会への実装、応用例などをまとめたものである。
ユビキタスコンピューティングは「世界の情報構造化」、仮想の世界と現実の世界をつなぐインフラであると、述べられている。
モノ・場所などにユニークなIDを付け、必要な時に、IDでひも付けられたコンピューター内に蓄積された情報・概念を参照利用することにより、リアルな世界とコンピューター内の世界を結び付けることができる。
この得られた情報に基づき、利用者の状況を把握し、環境（コンピューター）が最適な反応をすることも可能になる。
無数の様々なもの（ID)と情報を結び付けることは、ボトムアップ的に行われることも必要と考えられるが、情報の正当性や情報管理の確実性・永続性等をどう保証するか等が課題であると思う。
筆者の言う制度的なイノベーションが必要なのだろう。
岩波新書(新赤版)
2007年7月20日 第1刷 発行
発行所 (株)岩波書店
ISBN978-4-00-431080-8
C0236 \700E