冲方 丁 著
会津藩藩主で、将軍家綱の後見人でもある保科正之から新しい暦作りを頼まれた主人公の渋川春海は、志を同じくする専門家達を集め、改暦の計画を立てる。
実現には、幕府と皇室の融和を計り、全ての人に新しい暦が必要であることを納得させることが必要である。
これまでの暦（宣明暦）と新しい授時暦による蝕の比較を行う。
宣明暦による予測が何度か外れる中、授時暦がことごとく蝕を当て、今まさに、授時暦への改暦の請願を行おうとする矢先、授時暦が、蝕の予測を外してしまう。
授時暦が完璧と考えていた春海は、失意の中で、予測が外れた原因を探るが、解を得ることができない。
しかし、協力者もえて、授時暦が、中国での観測を元にして、中国で作られた暦であることが、誤差の原因であることを突詰め、日本には、日本の暦が必要であることを気づき、大和暦ともいえる暦を作り上げる。
大和暦を元に改暦の請願を行うと共に各所に根回しを行い改暦を実現することができる。
20年以上も掛けた大事業を成し遂げた春海の人生が史実をもとに物語となっている。
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平成24年5月21日 初版発行
発行所 (株)角川書店
ISBN978-4-04-100292-6
C0193 \552E