アンソニー・ホロヴィッツ 著
山田 蘭 訳
上巻では、主人公のスーザンが、8年前の事件の真相が描かれていると言う『愚行の代償』を読み始めるところで、終わった。
下巻の半分以上は、作中小説の『愚行の代償』が占めている。
この『愚行の代償』では、2件の殺人事件が、起きるが主人公の名探偵アティカス・ピュントが、見事な推理を展開する。
2件の事件は、関連はあったが、犯人は、別人だった。しかも、その一人は、意外な人物だった。
この『愚行の代償』だけを読んでも、面白いミステリーとなっている。
『愚行の代償』を読んだスーザンは、『愚行の代償』の献辞に違和感を持つが、8年前の事件についても、ホテルオーナーの娘の失踪についても、真相を読み解くことはことはできなかった。
実際の事件と『愚行の代償』の登場人物の類似などを調べるが、行き詰まってしまう。
解明を諦めかけた時、8年前の事件で、犯人とされ服役中の元従業員との面会が可能になり、失踪中の娘が残した１通の手紙を得ることができた。
手紙を読んだススーザーンは、失踪した娘も『愚行の代償』の最初のページを読んだ時に事件の犯人がわかったと書いてあることから、違和感を持った献辞が、事件の真相だったと気がつく。
スーザンは、事実関係を確認し、関係者を集めて、真相を伝える。
その後もスーザンは、『愚行の代償』が気になり、調べると、献辞の他にも、アナグラムで、色々事件の事実が描かれていたことがわかる。
2021年9月10日 初版発行
2021年9月17日 再版
発行所 (株)東京創元社
ISBN978-4-488-26512-0
C0197 \1000E